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マンションの外壁塗装にかかる費用とは?費用の抑え方も紹介

 

マンションの外壁塗装は、建物の価値を保ち、美観を維持するために欠かせない工事です。

この記事では、外壁塗装を検討中の不動産オーナーや大家さんに向けて、適切なタイミング、工事期間、費用の相場、そして費用を抑える方法について解説します。

マンションの外壁塗装工事を行うタイミング

マンションの外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、構造を保護する上で非常に重要です。特に、築12年を目安に外壁塗装を検討することをおすすめしています。

マンションの外壁塗装工事を実施すべきタイミングは、以下の条件に該当する場合です。

  • 雨漏りによるシミが見られるとき
  • 塗膜剥離が見られるとき
  • ひび割れがあるとき

それぞれ解説します。

雨漏りによるシミが見られるとき

マンションの外壁にシミが見つかった場合、防水機能が低下しているおそれがあります。雨漏りによるシミは、建物内部へのさらなる損害を防ぐために、速やかに専門業者への相談が必要です。

また、外壁の雨だれや色あせは、主に汚れや紫外線の影響で発生し、これらを放置すると塗料の保護機能が弱まり、壁が水分を吸収しやすくなります。また、苔やカビが生じて、壁内部の腐食を招くことで、マンションの外壁に深刻な損傷を与える可能性があります。

シミの具体的な状態に基づいて、外壁塗装を検討することをおすすめします。

塗膜剥離が見られるとき

外壁の塗膜剥離は塗装劣化の明確なサインであり、放置すると建物の保護機能が損なわれ、耐久性に深刻な影響を及ぼします。塗膜が剥がれた場合、建物の価値を守るために速やかに塗装することが必要です。

また、コンクリートの剥離は、ひび割れの放置により発生し、内部の鉄筋に錆を引き起こし、結果的にコンクリートを押し出し剥離に至ります。

このような剥離を発見したら、建物の安全と機能を確保するために速やかに対策を講じましょう。未対応のままでは、さらなる損傷や安全リスクに繋がる恐れがあります。

ひび割れがあるとき

外壁のひび割れは、塗装をする警告がでている証拠です。これは構造的な問題を示唆することもあり、ひび割れの存在は内部の鉄筋への水分侵入やコンクリートの劣化を招く原因となります。

そのため、ひび割れを発見した際は速やかに専門業者による診断と適切な補修が必要です。外壁のひび割れは、乾燥、紫外線、地震などさまざまな要因により生じ、雨水の侵入を容易にし、壁内部の腐食や錆を引き起こすリスクを高めます。

放置することで、カビやシロアリの被害に繋がる恐れもあります。早期対応が、建物の健全性を保つ鍵となります。

マンションの外壁塗装にかかる工事期間

マンションの外壁塗装工事は、建物の寿命を延ばし、住まいの美観を維持するために極めて重要な役割を果たします。この工事に要する期間は、さまざまな要因によって左右されます。

特にマンションの大きさが大きいほど、工事には長い時間が必要になります。

たとえば、50戸以下の小さなマンションであれば、およそ1〜3ヶ月、50〜100戸の中くらいのマンションでは3〜5ヶ月、100戸以上の大きなマンションでは半年から1年を超えることもあります。

外壁の現状や選ばれる塗料のタイプによっても、必要な期間は変動します。大きなダメージがある場合や、特別な塗料を使用する場合は、さらに時間がかかることがあります。加えて、工事期間は気象条件にも左右されます。雨などの不良天候は、工事の進行を遅くすることがあります。

これらの点を踏まえて、マンションの外壁塗装を計画する時には、業者としっかり話し合い、現実的なスケジュールを組むことが重要です。丁寧な準備と計画によって、工事の期間を効率的に管理し、マンションの持続的な魅力と機能を保つことができます。

関連記事:アパートの外壁塗装にかかる費用とは?工事のタイミングも紹介

マンションの外壁塗装の費用の相場とは

マンションの外壁塗装にかかる費用は、建物の規模や選択する塗料の種類によって大きく変動します。

マンションの外壁塗装にかかる費用の相場は、マンションの回数や、世帯数などの条件によって変動します。

マンションの階数

マンションの階数は、外壁塗装の費用に大きく影響します。高層になるほど、足場の設置や安全対策のためのコストが増加し、それに伴い全体の工事費用も上昇します。階数が多いマンションの外壁塗装を検討する際には、予算計画を十分に検討する必要があります。

一般的に、3階建てマンションの塗装費用は130万円〜410万円、階数が上がるごとに約100万円〜150万円ずつ増加し、7階建てでは630万円〜950万円の範囲になります。これは階数に応じた塗装面積の増加と作業の複雑性を反映しています。

ただし、これらの数値はあくまで目安であり、フロアの広さや建物の形状、構造によっても費用は変わります。正確な費用を知りたい場合は、塗装業者に見積もりを依頼することが必要です。

世帯数

マンションの外壁塗装費用は世帯数にも大きく左右されます。とくに世帯数が多い場合は、入居者への周知や作業中の生活への配慮など、追加の工夫と労力が必要になるため、費用が増加する傾向にあります。

国土交通省の調査によると、1戸あたりの外壁塗装工事費用の相場は12.9万円~21.6万円で、10戸の場合は約129万円~216万円、30戸では約387万円~648万円が相場となります。これはあくまで目安であり、実際の費用はマンションの具体的な状況によって変動します。

正確な費用を知りたい場合は、複数の塗装業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

【塗料の種類別】外壁塗装の費用の違い

外壁塗装における塗料選択は、費用と耐用年数に大きく影響します。一般的に、アクリルからフッ素までの塗料は、耐候性や特性が異なり、それぞれのメリットとコストを持っています。

各種塗料の種類に応じて、外壁塗装の費用に差が生じます。

主な塗料は以下となっております。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗装
  • シリコン塗装
  • フッ素塗装
  • ラジカル塗装
  • セラミック塗装
  • 無機塗料

それぞれ解説します。

アクリル塗装

アクリル塗料は、その軽量性とコスト効率の良さで選ばれることが多い塗料です。1㎡あたり1,000〜1,800円という低価格は、他の塗料と比較しても経済的な価格と言えるでしょう。

ただし、耐用年数が3〜8年と比較的短いため、頻繁なメンテナンスを想定していない場合には向いていません。

初期費用を抑えたい、または短期間での見た目の更新を重視する場合に適しています。

ウレタン塗装

ウレタン塗料は、その伸縮性と光沢で長く愛用されてきました。安価でありながら高い密着性を持つため、さまざまな形状の壁にも適用できるのが大きなメリットです。

経験豊富な職人による施工が可能で、施工面での安心感は他の塗料にはない魅力の一つです。

1㎡あたりの費用は1,500〜2,500円と経済的で、耐用年数は7〜10年と耐久性にも優れています。

そのため、住宅から商業施設まで、中期的なコストパフォーマンスを重視する場面での使用をおすすめします。

シリコン塗装

シリコン塗料は外壁塗装において高い人気を誇ります。

その理由は、耐久性と耐水性のバランスの良さにあります。溶剤2液型のシリコン塗料は、硬化剤を加えることで耐用性が格段に向上し、長期間建物を保護します。

シリコン塗料は価格が高めですが、耐用年数を考慮すれば、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れていると言えます。

 

1㎡あたりの費用は1,800〜3,500円であり、10〜15年の耐用年数を期待できるため、多くの不動産オーナーや大家さんに選ばれています。

 

フッ素塗装

フッ素塗料は優れた耐候性と耐久性で外壁塗装の分野で高い評価を受けています。とくに高層ビルや公共施設など、長期間にわたって外観を維持することが求められる建物に適しています。

1㎡あたりの費用が3,500〜5,000円と高価ですが、15〜20年という長い耐用年数が期待でき、色あせや汚れに対する強い抵抗力を持っているため、長期的なコスト削減に繋がります。

ただし、高価であるため予算計画には注意が必要であり、地震時のひび割れのリスクも考えておく必要があります。

ラジカル塗装

ラジカル塗料はシリコン樹脂とラジカル制御型酸化チタンの組み合わせにより、塗膜の長期的な保護と耐用年数の延長を実現しています。

この技術によりチョーキングという塗膜の劣化現象を効果的に抑制し、紫外線による色あせにも強いため、長期間にわたって建物の外観を鮮やかに保つことができます。

1㎡あたり2,200〜4,000円の費用で、12〜15年の耐用年数が長く、環境への優しさとメンテナンスフリーの期間の長さが、コストパフォーマンスの高さに繋がっています。

セラミック塗装

セラミック塗装はその耐熱性と耐摩耗性で際立ち、厳しい環境下でも性能を保ちます。汚れに強く、清掃が簡単にできるため、建物を継続的に清潔に保つことが可能です。

また、セラミック塗料に含まれるビーズにより断熱性と遮熱性が向上し、建物のエネルギー効率を高める効果も期待できます。

この塗料の1㎡あたりのコストは3,500〜5,000円で、耐用年数は10〜25年と長く、初期投資の高さを長期的なメリットで補うことができます。

無機塗料

無機塗料はその類稀な耐久性と耐候性で、長期間にわたる建物の美観保持に最適です。色あせや化学反応による劣化が非常に少なく、定期メンテナンスの必要性を大幅に減少させます。

初期投資は高いですが、20〜25年という長い耐用年数を鑑みれば、長期的に見て高いコストパフォーマンスを実現します。

1㎡あたりの費用は4,500〜5,500円で、無機成分の配合により塗膜のチョーキングや色褪せを効果的に防ぎます。特に、耐久性を重視する施工におすすめです。

 

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マンションの外壁塗装において費用を抑えるコツ 

マンション外壁塗装施工後

 

マンションの外壁塗装は、不動産価値の維持に必須ですが、工事費用は気になる点の一つです。適切な計画と情報収集により、コストを抑えつつ質の高い塗装を実現する方法があります。

マンションの外壁塗装の費用を抑えるコツは、次の2つが挙げられます。

  • コツ①複数の業者から見積もりを取る
  • コツ②閑散期に工事を依頼する

それぞれ解説します。

コツ①複数の業者から見積もりを取る

外壁塗装の費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取得することが重要です。最低でも3社以上の業者に同じ仕様で見積もりを依頼し、それらを比較することで、適正価格を見極めることができるでしょう。

この比較によって、各業者の価格設定や提案内容を検討し、最もコストパフォーマンスの高い業者を選ぶことが可能になります。

見積もり選定時には、価格だけではなく、サービスの質や過去の施工実績、そして近隣住民への配慮なども考慮することが大切です。

 

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コツ②閑散期に工事を依頼する

外壁塗装工事の費用を抑える一つの方法は、塗装業者の閑散期に工事を依頼することです。繁忙期に比べて業者が比較的空いている閑散期には、料金の割引が期待できます。

この時期は業者がより丁寧な作業を行える余裕があるため、品質の高いサービスを受けることも可能です。

塗装業者に閑散期がいつか事前に確認し、工事計画を立てることが重要です。とくに暑い夏や寒い冬は比較的依頼が少なく、価格交渉の余地が生まれやすいため、これらの時期を狙うことが費用を抑える戦略となります。

 

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外壁塗装でマンションを守る

 

マンションの外壁塗装は、建物の長期的な価値と美観を保持するために欠かせません。適切なタイミングでの塗装は、紫外線や雨水による劣化を防ぎ、建物を守ります。

費用の相場はマンションの階数や世帯数、選択する塗料によって異なり、複数の業者から見積もりを取ること、閑散期に工事を依頼することが、コストを抑える効果的な方法です。

マンションの外壁塗装に関してご不安や疑問があれば、カメダ塗装へご相談ください。専門の知識と豊富な経験を持つカメダ塗装が、塗装プランを提案し、高品質なサービスをお約束します。