公開日  更新日

フッ素塗料は外壁塗装におすすめ?価格相場や注意点を解説

マンションやアパートの外装塗装に使われる塗料の1つに、フッ素塗料があげられます。
住宅用の外装塗装によく使用されるシリコン塗料と比べて、フッ素塗料には「耐久性が高く長持ちする」などさまざまなメリットがあります。

 

本記事では、外装塗装の塗料選びに悩んでいる方に向けて、フッ素塗料のメリット・デメリットやフッ素塗料で塗装できる外壁材、主なフッ素塗料のメーカー、価格相場、フッ素塗料で塗装する際の注意点をお伝えします。

フッ素塗料とは

フッ素塗料とは、蛍石を原料にして作られるフッ素樹脂を主成分とする塗料のことです。
シリコン塗料やウレタン塗料と並んで、住宅やビルなど建物の外装塗装に用いられる代表的な塗料です。
はじめにフッ素塗料を使用するメリットやデメリットについて解説します。

フッ素塗料のメリット

フッ素塗料は、以下にあげる性能が優れています。

  • 耐久性
  • 耐熱性
  • 親水性
  • 防カビ性・防藻性
  • 防水性

とくに耐久性に優れており、一度塗装すれば長年使用できるのが特徴です。
また耐熱性や防水性に優れているため、紫外線や雨による劣化を最小限に抑えられます。
温度変化にも強く、冬場に大きく気温が下がる北海道や沖縄など気温の高い地域の住宅にもおすすめです。

 

耐用年数が長いフッ素塗料で塗装することで、外装塗装のメンテナンス回数が少なくなるため、塗装の手間が省けたり、長期視点で考えると高いコストパフォーマンスを期待できたりします。

フッ素塗料のデメリット

フッ素塗料は結合力が高く、一度塗装すると次の塗装をするときに特別な下塗りがないと塗料をはじいてしまう可能性があります
そのため、他の塗料に比べて塗装する際にコストがかかってしまう場合があるかもしれません。

 

またフッ素塗料を使用すると、ヘアクラックが発生しやすくなる点にも注意が必要です。
ヘアクラックとは、外壁の表面にできるひび割れのことで、震度1〜2などの細かな揺れであっても発生することがあります。
フッ素塗料は塗膜が硬く、弾力性が少ないといった特徴があり、弾力性の弱さからヘアクラックを起こしやすいと言われています。
ヘアクラックが発生したからと言って緊急性を要するわけではありませんが、見た目が気になるという方も多いでしょう。
とくに地震の多い日本においては、見逃せないデメリットと言えます。

フッ素塗料は外装塗装におすすめ?

フッ素塗料は光沢のある仕上がりにしたい場合におすすめです。
フッ素塗料の特徴として光沢感や艶があるため、新築のような外観を表現できます。
また光沢保持力が優れており、シリコン塗料は8年〜10年すると光沢が20%減少する一方、フッ素塗料は20年ほど経過してもわずか10%しか光沢が減少しません。
そのため、新築のような光沢感を長期間維持できます。

フッ素塗料で塗装可能な外壁材

外壁材と塗料には相性があります。
外壁材に適さない塗料を塗ってしまうと、塗装工事をする間隔が短くなるばかりか外壁自体の劣化につながる恐れもあるため、外壁材に合う塗料を選ぶことが大切です。
フッ素塗料は、以下にあげる外壁材との相性が良いと言われています。

  • サイディング
  • ALC
  • トタン

一方、フッ素塗料は塗膜が硬いためコンクリートやモルタルの外壁に使用すると、ひび割れを起こしやすくなってしまいます
モルタルなどの外壁には弾性のある塗料がおすすめです。

主なメーカーのフッ素塗料

光沢感のある仕上がりや耐久性の高さから人気のあるフッ素塗料は、さまざまなメーカーから販売されています。
ここからは主なメーカーのフッ素塗料とその特徴をご紹介します。

日本ペイント

住宅以外にも、自動車や大規模な建築物の塗料を製造・販売しているのが日本ペイントです。
1881年創業の大手塗料メーカーであり、さまざまな種類のフッ素塗料を販売しています。
日本ペイントから販売されているフッ素塗料は以下のとおりです。

  • ファイン4Fセラミック
  • サーモアイ4F
  • ファイン4Fベスト
  • ピュアライドUVプロテクト
  • デュフロン4FIIフレッシュ
  • 1液ファインフッソUV

日本ペイントの販売するフッ素塗料は、高い耐久性のある弱溶剤2液型や4フッ化フッ素を使用しているケースが多いのが特徴です。

エスケー化研

エスケー化研は、建築用塗料や工業用塗料の製造や販売を行っているメーカーです。
長年にわたり塗料業界で高い評価を得ています。
エスケー化研が販売しているフッ素塗料には以下のものがあげられます。

  • スーパーセラタイトF
  • クリーンマイルドフッソ
  • クールタイトF

特にスーパーセラタイトFは、水性1液型を使用しており、外装塗装において取り扱いやすいのが特徴です。さらにラジカル制御性能を有しており、塗膜が劣化しにくく長期間塗装を維持できます。

関西ペイント

関西ペイントは日本を代表する総合塗料メーカーの1つであり、世界的にも高く評価されている企業です。建築用塗料に限らず、自動車用塗料や船舶用塗料など幅広い分野の塗料を製造・販売しています。

代表的なフッ素塗料である「アレスアクアフッ素Ⅱ上塗」は塗料特有のニオイが少ないため、住宅が密集している場合に活躍します。
その他に、関西ペイントから販売されているフッ素塗料は以下のとおりです。

  • セラMフッソ
  • スーパーフッソルーフペイント

菊水化学工業

品質の高い製品と技術力で有名なのが、菊水化学工業です。建築用塗料や防水材、コンクリート補修材などを製造・販売しています。

代表的なフッ素塗料として、キクスイSPパワーフッ素や水系ファインコートフッ素があげられます。
キクスイSPパワーフッ素は耐候性が長期間持続するのが特徴です。
水系ファインコートフッ素は紫外線などによる変色劣化を抑える効果があります。

KFケミカル

化学製品メーカーであるKFケミカルは、塗料や土木資材、機能性材料などを製造・販売しています。

KFケミカルから販売されているセミフロンルーフⅡは、耐候性に加えて遮熱性が優れており、屋根の表面温度を下げるのに役立ちます。
それ以外に、チョーキング現象の抑制に優れたセミフロンアクアや弱溶剤2液型のセミフロンスーパーマイルドⅡ(標準塗装仕様)などが代表的なフッ素塗料です。

フッ素塗料を塗装する際に費用を抑える方法

フッ素塗料は他の塗料に比べると1回に支払う金額が高いため、少しでも塗装費用を抑えたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
フッ素塗料での塗装費用を抑えるためには、いくつかのポイントを抑える必要があります。

 

ここからは塗装費用が気になる方に向けて、フッ素塗料で塗装する際の費用を抑える方法について解説します。

屋根と外壁を同時に塗装する

建物全体の塗装費用を抑えるのであれば、外壁とともに屋根の塗装も同時に行うことをおすすめします。

 

塗装工事の際に必要な足場には、1回の工事につき約15万円〜20万円かかります。
屋根と外装の塗装を別々に行うと、足場にかかる費用を複数回支払わなければなりません。
屋根と外装を同時に塗装すれば、足場を一度組むだけで済むため、塗装費用を抑えられます
外装だけではなく屋根の塗装も定期的にメンテナンスが必要となるため、同時に塗装することを検討してみましょう。

塗装箇所が悪化する前に施工を行う

外装塗装は、紫外線や雨など外的要因によって徐々に劣化していきます。
塗膜が劣化しバイア機能が失われると、紫外線などによるダメージが外壁に直接届くようになり、外壁のひび割れや腐食が進みます。

 

塗装するタイミングが遅れてしまい外壁が劣化してしまうと、塗装工事をする前に一度補修工事を行う必要がでてくるため、余計に費用を支払わなければなりません。
塗装にかかる費用を抑えるためには、塗装箇所が悪化する前に外装塗装に着手することが大切です。

施工実績が豊富な業者に依頼する

施工不良を防ぎ無駄な出費をしないために、施工実績が豊富な優良業者に依頼するようにしましょう。

 

施工実績のある業者を見つけるためには、公式ウェブサイトを確認するのがおすすめです。
「お客様の声」や「事例紹介」などのページにおいて、豊富な施工実績が紹介されているようなら、信頼できる業者と言ってよいでしょう。
さらに具体的な施工内容や写真・動画などを掲載している場合にはさらに信頼度は増します。

 

施工実績以外にも、見積書がわかりやすかったり、説明が丁寧で見積内容を詳細まで教えてくれたりする業者は優良業者である可能性が高いと言えるでしょう。

 

関連記事:外壁塗装業者を選ぶ際のポイントとは?悪徳業者の特徴も紹介

フッ素塗料の価格相場と耐用年数

フッ素塗料は、外装塗装に使用される塗料の中でも高価な塗料に分類されます。
しかし耐久性に優れているため、耐用年数が他の塗料に比べて長く、長い目で見たときのトータルコストが安く済む場合も多くあります。

 

外装塗装に使用される塗料ごとの、価格相場と耐用年数の目安は以下のとおりです。

塗料の種類1㎡あたりの価格相場耐用年数
フッ素塗料3,500円〜4,800円15年〜20年
アクリル塗料1,000円〜1,800円5〜8年
ウレタン塗料1,700円〜2,500円7〜10年
シリコン塗料2,300円〜3,500円7〜12年
ラジカル塗料2,200円〜4,000円12〜15年
無機塗料3,500円〜5,500円15〜25年

1㎡あたりで見るとそこまで大きな価格差はないように感じるかもしれませんが、塗装する面積が広い建物ほど価格差は大きくなるため、塗装に着手する前に実際の塗装費用をシミュレーションしておくことをおすすめします。

 

関連記事:20年を超えたら寿命?塗料ごとに外壁塗装の耐用年数を紹介

フッ素塗料で塗装する際の注意点

フッ素塗料で塗装すると光沢感が得られるため、新築のような見た目を維持できます。
しかし建物のデザインや塗装業者によっては思い通りの仕上がりにならないことも。

 

ここからはフッ素塗料で塗装する際の注意点を解説します。

光沢感がチープに見える可能性がある

フッ素塗料は独特の光沢感があり、ときには外壁がチープに見えてしまうケースもあるため注意が必要です。
外装塗装に使用される色や住宅のデザインによっては、フッ素塗料の光沢感がマイナスの印象を与えてしまうことがあります。

 

光沢感の仕上がりに好みが分かれる場合もあるので、事前にどのような仕上がりになるのか確認しておくことが大切です。

業者によって仕上がりに差がある

塗装業者によって仕上がりに大きな差があるため、業者選びは慎重に行いましょう。
塗装業者の中には、ずさんな工事をする悪徳業者がいます。
以下にあげる特徴のある業者は悪徳業者である可能性が高いため、依頼の際には注意しましょう。

  • 名前や会社名を名乗らない
  • さまざまな手で契約を迫ってくる
  • 前払いを要求してくる
  • 契約するために不安を煽ってくる

また地元やネット上の口コミも悪徳業者を見抜くための重要な判断基準になります。
豊富な施工実績があり、口コミの良い業者を選べば悪徳業者を避けることができるでしょう。

 

関連記事:外壁塗装業者を選ぶ際のポイントとは?悪徳業者の特徴も紹介

フッ素塗料は耐久性が高く、光沢感を出したいときにおすすめ

フッ素塗料とは、蛍石を原料にして作られるフッ素樹脂を主成分とする塗料のことで、耐久性が高く、独特の光沢感を表現できるのが特徴です。
一見すると他の塗料よりも高価ではあるものの、耐用年数が長くトータルコストとしては安く済むケースもあります。
フッ素塗料での塗装を検討している場合、塗装にかかる費用を安く済ませるためには施工実績が豊富な業者に依頼することが大切です。

 

外壁塗装ならカメダ総合塗装へおまかせください。
塗装一筋創業60年の高い塗装技術と豊富な施工実績があります。
ビルやマンション、アパートなど集合住宅を専門としており、オーナー様のさまざまなご要望にもお応えします。ぜひお気軽にご相談ください。