公開日  更新日

外壁塗装のコーキングとは?役割や劣化症状、補修費用を解説

外壁のコーキング作業風景①

外壁の目地や建材のすき間を埋めるコーキングは、建物の防水性や気密性を維持するために欠かせない要素です。

マンションやビルでは、劣化が進むと雨漏りや外壁材の破損につながり、修繕コストの増加を招くおそれがあります。

コーキングの役割や劣化症状を正しく理解することで、適切なメンテナンス計画を立てられます。

本記事では、外壁塗装におけるコーキングの重要性について解説します。

 

コーキングとは?

コーキングとは、外壁材やサッシまわりなどのすき間を充填し、雨水の浸入を防ぐための施工を指します。

建物の防水性と気密性を維持する役割があり、マンションやビルのように外壁面積が大きい建築物では特に重要です。

使用されるコーキング剤はゴムのような弾性をもつ材料で、建材の動きに追従しながら外壁の接合部を守ります。

紫外線や温度変化により時間とともに劣化し、ひび割れや硬化が進むと機能が低下します。

適切な時期に補修を行うことで、雨漏りの発生を防ぎ、建物全体の耐久性を保てます。

以下にて、コーキングの基本的な役割について解説します。

 

劣化したコーキングを見分けるポイント

外壁のコーキング作業風景②

コーキングは紫外線や気温差の影響を受けやすく、経年とともに劣化が進行します。

劣化を放置すると防水性が低下し、外壁内部に水が侵入するリスクが高まります。

外観の変化や触れた際の感触によって劣化状況を判断できるため、定期的な確認が欠かせません。

劣化症状を早期に発見することで、大規模修繕を回避できる可能性もあります。

以下にて、劣化を見分ける代表的なポイントについて解説します。

 

ひび割れ・隙間など外観の変化

外観にひび割れが見られる場合、コーキング材の弾力が失われている状態です。

また、外壁材との間に隙間が生じていると、すでに防水性が大きく低下しています。

肉痩せと呼ばれるコーキングの痩せも、劣化のサインとしてよく見られます。

 

触感や弾力で判断する劣化症状

指で軽く押した際に弾力がなく、硬くなっている場合は劣化が進んでいます。

逆に、表面がベタつく場合は可塑剤が滲出している可能性があり、性能が低下した状態です。

触れた際の違和感は劣化の初期症状として現れやすく、外観変化とあわせて判断することが重要です。

 

コーキング材の種類と特徴を比較

コーキング材には複数の種類があり、建物の用途や外壁材との相性によって使い分ける必要があります。

とくにマンションやビルでは、耐候性や付着性の高さが求められるため、材料選定が仕上がりに大きく影響します。

ウレタン系やシリコン系、変成シリコン系などが代表的で、それぞれ性能や適した施工箇所が異なります。

適切な材質を選ぶことで、長期間にわたり防水性と気密性を維持できます。

以下にて、主要な材料の違いについて解説します。

 

シリコンと変成シリコンの違い

シリコン系は耐水性と耐候性に優れ、屋外での使用に適しています。

一方、塗料が密着しにくい特性があり、外壁塗装との併用には不向きです。

変成シリコン系はシリコンの耐久性を持ちながら塗装が可能で、外壁塗装とあわせて使用できる点が強みです。

マンションやビルの外壁補修では、総合的な相性の良さから変成シリコンが採用されるケースが多く見られます。

 

コーキング工事を業者に依頼する際のポイント

コーディング工事をおこなう業者

コーキング工事は建物の防水性と気密性を左右する重要な工程であり、施工品質によって建物の耐久年数が大きく変わります。

とくにマンションやビルでは外壁の動きが複雑で、施工箇所ごとに最適な判断が求められます。

そのため、業者の診断力や技術力、材料選定の根拠を総合的に確認することが欠かせません。

以下にて、依頼時に押さえておきたい具体的なチェックポイントについて解説します。

 

正確な外壁診断が可能か

コーキング工事では、建物の動きや外壁材の特性を踏まえた劣化診断が欠かせません。

マンションやビルは部位ごとに目地幅や劣化度が異なるため、状況を精密に把握し、適切な施工方法を提示できる業者を選ぶ必要があります。

診断力の高さは仕上がりの品質に直結します。

 

施工方法の根拠を説明できるか

打ち替えと打ち増しの使い分け、気温や湿度を考慮した工程管理、乾燥時間の設定など、専門知識に基づく説明ができるかが信頼性の判断材料になります。

施工根拠が明確な業者は、耐久性を確保しやすい傾向があります。

 

使用材料の性能を提示できるか

コーキング材の耐候性・付着性・相性(変成シリコン/シリコンなど)を明示し、選定理由を説明できることが重要です。

材料特性を理解している業者は、長期的な防水性の確保につなげられます。

 

見積内容に透明性があるか

工程数、使用数量、単価などの根拠を丁寧に説明できる業者は信頼性が高いといえます。

不明瞭な項目がないかを確認することで、適切な費用での工事が実現します。

 

おわりに

本記事では、外壁塗装のコーキングとは?役割や劣化症状、補修費用を解説しました。

マンションやビルの維持管理において、コーキングは防水性と気密性を守る重要な要素です。

劣化が進むと外壁内部に雨水が侵入し、建物全体の耐久性に影響を与えるおそれがあります。

適切な診断と材料選定、施工方法の見極めによって、長期的な資産価値を保てます。

専門性を備えた業者に相談することで、安心できるメンテナンス計画が実現します。