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雨漏りの修理は自分でできる?必要な道具も紹介

悩む女性

「天井からポタポタと水滴が…」「壁紙に、いつの間にか大きなシミが広がっている…」

 

ある日突然、お住まいや管理されている物件でこのような「雨漏り」のサインを発見したとき、その驚きと「どうしよう」という焦りは計り知れないものでしょう。

 

雨漏りは単に室内が濡れて不快というだけの問題ではありません。

 

それは建物の防水機能がどこかで破綻していることを示す、極めて重要な「SOSサイン」なのです。

 

そのサインを見過ごし放置してしまうと、やがては建物の構造そのものを蝕み、資産価値を著しく低下させる深刻な事態へと発展しかねません。

 

かといってパニックになり、慌ててご自身で屋根に上るようなことは絶対にやめてください。

 

この記事では、そんな突然の雨漏りという緊急事態に直面したオーナー様や管理者様のために、まずは被害の拡大を食い止めるための「ご自身でできる安全な応急処置」と、その際の「絶対にやってはいけない注意点」、そしてなぜ根本的な解決にはプロの力が必要なのか、その理由までを塗装・防水工事の専門家として分かりやすく解説していきます。

雨漏りの修理は自分でもできる?

まず、雨漏りの「応急処置」はご自身でも可能です。

 

しかしそれは、あくまで専門業者が到着するまでの間、被害の拡大を最小限に食い止めるための一時しのぎに過ぎません。

 

雨漏りの原因を特定し根本的に修理する「修繕工事」は、極めて専門的な知識と技術を要するため、必ず信頼できるプロの業者に依頼する必要があります。

 

よくある間違いが、「このひび割れが原因だろう」とご自身で判断し、ホームセンターなどで購入したコーキング材をやみくもに充填してしまうケースです。

 

これはかえって水の出口を塞いでしまい、壁の内部に滞留した水分が構造体をより深刻に腐食させてしまうという、最悪の事態を招きかねません。

 

ご自身で行うべきは、あくまで室内側での被害拡大防止と、安全が確保できる範囲での屋外での簡単な防水措置に留めておくべきです。

 

そして何よりもまず専門の業者に連絡し、プロによる正確な診断を依頼するようにしましょう。

雨漏りの修理に必要な道具

それでも「業者が来るまでの間、自分でできる限りのことをしたい」という方のために、応急処置で役立つ可能性のある道具をご紹介します。

 

ただしこれらは、あくまで一時的な対処であり根本的な解決にはならないということをご理解ください。

シーリング

「コーキング」とも呼ばれるペースト状の充填材です。

 

外壁の小さなひび割れやサッシ周りのわずかな隙間など、原因箇所が明確に特定できている場合に、その隙間を一時的に埋めるために使用します。

 

ホームセンターなどでコーキングガンとセットで手軽に入手できます。

 

しかし前述の通り、原因を誤認して水の出口を塞いでしまうと、内部の劣化を助長するリスクがあるため使用には細心の注意が必要です。

防水テープ

屋外用の強力な粘着力と防水性を持つテープです。

 

屋根材の小さな割れや金属部分のわずかな隙間など、シーリング材を充填するのが難しい箇所に上から貼り付けて、雨水の浸入を一時的に防ぎます。

 

貼る面の汚れや水分をきれいに拭き取ってから、空気が入らないようにしっかりと圧着させることが効果を高めるポイントです。

 

これもまた恒久的な対策ではなく、あくまでプロの修理までのつなぎの処置です。

パテ

パテは粘土状の補修材で、主に外壁の小さなひび割れや欠け、穴などを埋めるために使用します。

 

ひび割れ部分にヘラなどを使って押し込むように充填し、乾燥させて固めます。

 

ただし建物の動きに追従する弾力性はないため、構造的な動きが原因の大きなひび割れに使用してもすぐに再発してしまいます。

 

ごく表面的な軽微な損傷に対する一時的な穴埋め材と考えるべきです。

ブルーシート

屋根の広範囲にわたる損傷など、原因箇所が大きくテープやシーリングでは対応できない場合に使用します。

 

建物全体あるいは被害を受けている箇所を大きなブルーシートで覆い、雨が直接当たるのを防ぎます。

 

シートが風で飛ばされないよう、土嚢や水の入ったポリタンクといった重しで複数箇所をしっかりと固定することが重要です。

 

釘などで固定するのはかえって建物を傷つけ、新たな雨漏りの原因となるため絶対に避けてください。

雨漏りの修理を自分で行うリスク

費用を抑えたいという気持ちからご自身で本格的な修理に挑戦しようと考える方もいるかもしれません。

 

しかしその行為には、建物の価値を大きく損なう、そして何よりご自身の身体に取り返しのつかないダメージを与える重大なリスクが潜んでいます。

怪我のリスク

これがDIY修理における最大で最も恐ろしいリスクです。

 

雨漏りの原因箇所の多くは、屋根や2階の外壁といった「高所」にあります。

 

雨で濡れた屋根はプロの職人でさえ足を滑らせるほど危険な状態です。

 

厚生労働省の「労働安全衛生規則」では、高さ2メートル以上の場所での作業に足場の設置や安全帯(墜落制止用器具)の使用が法律で義務付けられています。

 

これは高所作業がいかに命に関わる危険な行為であるかを示しています。

 

何の装備も経験もないまま梯子をかけて屋根に上る行為が、どれほど無謀なことかご理解いただけるかと思います。

 

修理費用を節約する代償として、ご自身の命を危険にさらすようなことは決してあってはなりません。

二次被害のリスク

もう一つの大きなリスクが、不適切な修理によってかえって雨漏りを悪化させてしまう「二次被害」です。

 

雨漏りの原因はプロでも特定が難しいほど複雑です。水の浸入口と出口が全く違う場所にあることも珍しくありません。

 

もし原因を誤って判断し、水の「出口」であるひび割れだけをコーキングで塞いでしまったらどうなるでしょうか。

 

壁の内部で行き場を失った雨水は滞留し続け、構造躯体である木材や鉄骨を内側から静かに、そしてより深刻に腐食させていきます。

 

良かれと思って行ったDIY修理が、結果として建物の寿命を大きく縮め、将来的に何倍もの修繕費用がかかるという最悪の事態を招いてしまうのです。

業者に依頼したほうがよいケース

ではどのような場合に迷わず専門業者に依頼すべきなのでしょうか。

 

基本的には全ての雨漏りが専門家の診断を必要としますが、特に以下のようなケースはご自身での対応が極めて困難かつ危険です。

通常の雨でも水が漏れてくる場合

台風やゲリラ豪雨といった特別な大雨の時だけでなく、ごく普通の雨でも常に雨漏りが発生するという場合は、かなり症状が進行していると考えられます。

 

建物のどこかに明確でそして恒常的な雨水の侵入経路ができてしまっている可能性が非常に高いです。

 

原因箇所が複数にわたっていることも考えられます。

 

このような場合はもはや応急処置で対応できるレベルではなく、プロによる徹底的な原因調査と根本的な修繕工事が不可欠です。

雨漏りの箇所が高所の場合

雨漏りの原因が明らかに屋根や2階以上の外壁といった高所にあると推測される場合は、迷わず専門業者に依頼してください。

 

前述の通り高所での作業は転落の危険性が極めて高く、プロでなければ安全を確保することは不可能です。

 

専門業者は法律に基づき安全な足場を設置し、ヘルメットや安全帯を着用して作業に臨みます。 ご自身の安全が何よりも最優先です。

平らな屋根の防水層が原因の場合

陸屋根(ろくやね)や屋上、あるいはベランダの床といった平らな部分からの雨漏りは、その表面を覆っている「防水層」の劣化が原因であることがほとんどです。

 

FRP防水やウレタン防水、シート防水といった防水層の補修には、それぞれの材質の特性を熟知した専門的な知識と施工技術が必要となります。

 

素人が見様見真似で補修を行うと、かえって防水層を傷つけてしまい状況を悪化させる可能性が高いです。

瓦屋根で雨漏りが起こった場合

日本瓦やセメント瓦といった瓦屋根で雨漏りが発生した場合も、専門家への依頼が賢明です。

 

瓦のわずかなズレや割れが原因であることもあれば、その下に敷かれている防水シート(ルーフィング)の破れが原因であることもあります。

 

瓦屋根の構造は非常に複雑であり、原因の特定には瓦を一度剥がしてみるといった専門的な作業が必要になることもあります。

 

また瓦の上を不用意に歩くと、他の健全な瓦まで割ってしまうリスクもあります。

雨漏りの修理業者を選ぶ際のポイント

雨漏り修理の成否は「信頼できる業者選び」にかかっているといっても過言ではありません。

 

後悔しないための4つの重要なチェックポイントをご紹介します。

見積もりが適正かどうか

まず1社だけでなく、必ず複数の業者から相見積もりを取りその内容を比較検討することが重要です。

 

その際、単に合計金額の安さだけで判断してはいけません。

 

「〇〇工事一式」といった曖昧な表記ではなく、どのような工事にどのような材料をどれだけ使い、単価はいくらなのかといった詳細な内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。

 

あまりに安すぎる見積もりは、必要な工程を省略する手抜き工事に繋がる危険性もあります。

公式ホームページがあるかどうか

公式ホームページはその会社の「顔」であり、信頼性を判断するための重要な情報源です。

 

会社の所在地や連絡先、建設業の許可番号といった基本情報がきちんと明記されているか。

 

そしてこれまでの雨漏り修理の施工事例が写真付きで豊富に掲載されているかといった点を確認しましょう。

 

活気があり情報がきちんと整理されたホームページを持つ会社は、顧客に対して誠実な姿勢を持っている可能性が高いといえます。

実績があるかどうか

雨漏り修理は経験がものをいう世界です。

 

その業者がこれまでどれだけの雨漏り修理の実績を持っているかを確認しましょう。

 

特にご自身のお住まいと同じような構造の建物(木造、鉄骨造など)や、同じような屋根材・外壁材での施工実績が豊富であれば、より安心して任せることができます。

 

また雨漏りの原因を特定するための散水調査や赤外線カメラ調査といった、専門的な診断に対応できるかどうかもその業者の技術力を見極める良い指標となります。

保証があるかどうか

優良な業者は自社の施工品質に自信と責任を持っているため、工事後の「保証」や「アフターサービス」の体制がきちんと整っています。

 

「工事完了後、〇年間は同じ箇所からの雨漏りの再発を保証します」といった書面での保証書を発行してくれるかどうかは、業者選びの非常に重要なポイントです。

 

万が一雨漏りが再発した場合に誠実に対応してくれるという安心感が、信頼の証となります。

雨漏りの修理は自分で行わずプロの力を借りよう

今回は、突然の雨漏りに対してご自身でできる応急処置の方法とその限界、そしてなぜ根本的な修理にはプロの力が必要なのか、その理由について詳しく解説しました。

 

雨漏りは建物が発している「助けを求める悲鳴」です。

 

その声にいち早く気づき、専門医である私たちのようなプロの業者による的確な診断と治療を施すこと。

 

それがオーナー様の大切な資産とそこに住む人々の安全な暮らしを守ることに繋がります。

 

株式会社カメダ総合塗装は、雨漏りの原因究明から最適な修繕工事のご提案、そして将来の再発を防ぐための高品質な塗装・防水工事まで、豊富な実績と専門知識でオーナー様のお悩みにワンストップでお応えします。

 

 

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