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ビルに外壁塗装を施すメリットとは?費用相場も紹介

建物の外壁塗装を検討する際に、塗装を施すことでどのようなメリットがあるのか、塗装のタイミングや費用のことなどでお悩みではありませんか。

 

この記事では、ビルやマンションに外壁塗装を施すメリット、塗料の種類、費用の相場、注意点などを解説していきます。外壁塗装のことを理解して、適切な方法を計画しましょう。

 

外壁塗装とは

外壁塗装は、ビルやマンションなどの建物の外壁に塗料を施すことで、美観を維持しつつ建物を保護する重要な役割があります。建物は時間が経つにつれて、紫外線や雨、風、温度変化などの外的要因にさらされ、徐々に損傷を受けていきます。

 

こうした要因から建物を守るために、外壁塗装は役割を果たします。塗装することで、建物の耐久性を高め、長期間にわたり価値を保持するために重要です。さらに、外壁塗装によって建物のエネルギー効率を向上させる効果も期待できます。

 

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外壁塗装はなぜ必要?

外壁塗装は、建物を美しく保つこと以上の意味を持っています。建物の外壁は、風雨による水の浸入や、紫外線による色あせや材料の劣化、さらには寒暖差による物理的な収縮と膨張などにより、大きな負担がかかります。とくに、紫外線は塗装や外壁材の化学結合を破壊するため、結果として塗料の剥がれや、外壁材の脆弱化を引き起こしかねません。

 

また、雨水が外壁を通じて内部に浸透することで、鉄部の錆やコンクリートの腐食、さらにはカビなどの発生の原因となり得ます。

 

これらの問題は、見た目の悪化だけでなく、建物の構造自体の安全性を低下させるおそれがあります。定期的な外壁塗装は、これらの外的要因から建物を守るための最初の予防策です。

 

外壁塗装を施すメリット

外壁塗装は建物の維持管理において非常に重要な役割を果たします。ここでは、そのメリットをさらに詳しく掘り下げてみましょう。

 

  • 耐久性の向上:外壁塗装は、建物の最も重要な防護層の1つです。塗装によって、水分、紫外線、化学物質からの保護が可能になり、これらの要因による壁材の腐食や劣化を大幅に遅らせることができます。結果として、建物全体の耐久性が向上し、長期にわたる建物の保全に貢献します。定期的な外壁塗装は、結露やカビの発生を抑制し、壁の内部までの損傷を予防可能です。

  • 美観の向上:時間とともに建物の外観は自然と色あせたり、汚れが目立ちはじめますが、外壁塗装により、建物は新しい美観を得られます。この外観の向上は、ビルやマンションのイメージを良くするだけでなく、訪れる方々に好印象を与えます。色彩選択によっては、建物の特性を前面に出したり、周囲の環境との調和を図ることも可能です。

  • 不動産価値の向上:見た目が新しく、メンテナンスが行き届いた建物は、不動産市場においても高い評価を受けます。外壁塗装による美観の向上と機能性の強化は、不動産の魅力を高め、場合によっては賃料や売却価格を引き上げる可能性が高いです。

 

外壁塗装を施すべきタイミング

外壁塗装は、ビルやマンションの保護としても重要だと紹介しましたが、もちろん美観の維持としても重要な役割を果たしています。では、具体的にどのようなタイミングで塗装を検討すべきか、詳しく見ていきましょう。

 

耐用年数を経過したとき

塗装の耐用年数が近づくと、塗料の機能が徐々に低下します。外壁の塗装は通常、10年から15年での施工が目安です。耐用年数が過ぎると、塗膜の剥がれや色褪せなどが発生しやすくなり、ビルの保護機能が低下することがあります。時期が近づいたら、専門家による定期的な診断を受け、必要に応じて塗り替えを検討しましょう。耐用年数を考えた外壁塗装は、ビルやマンションの長寿命化と資産価値の維持に大きく貢献します。

 

ひび割れや雨漏りが発生したとき

外壁にひび割れや雨漏りの兆候が見られた場合、それは外壁塗装の必要性を示唆しています。ひび割れから水分が浸入し、内部の鉄骨やコンクリートを腐食させる原因となる可能性があります。また、雨漏りは建物内部の構造や内装に損害を及ぼし、修繕費用を増大させるおそれもあります。これらの症状が確認されたら、迅速に専門業者に相談し、適切な補修や塗り替えを行うべきです。早期に対応することで、建物の大きな被害を防ぎます。

 

建物の外観を変えたいとき

ビルやマンションの外観は、その建物のイメージを大きく左右する要素です。古くなった外観や、時代遅れの色合いを更新することで、建物全体の印象を大きくイメージチェンジできます。また、外観を改善することは、入居者や訪問者に対する印象を向上させるだけでなく、物件の資産価値を高める効果も期待できます。新しいカラーリングやデザインによるイメージチェンジは、ビルやマンションをより魅力的なものに変えるチャンスです。これらの改善を通じて、入居率の向上や、長期的な資産価値の維持につなげましょう。

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外壁塗装に使われる塗料の種類

外壁塗装に使われる塗料の種類には、さまざまな特性を持つものがあります。建物の外観、耐久性、環境条件への対応能力が異なります。特定のニーズにあわせて、最適な塗料を選択することが可能です。

 

ここでは、以下の7種類の塗料について詳しく見ていきましょう。

 

  • アクリル系塗料
  • ウレタン系塗料
  • シリコン系塗料
  • ラジカル系塗料
  • フッ素系塗料
  • 無機系塗料
  • 光触媒系塗料

 

アクリル系塗料

アクリル系の塗料は、アクリル樹脂を主成分としており、その鮮やかな色味と光沢、高いデザイン性で知られています。通常の場合、この塗料の耐久期間は5年〜7年で、価格相場は1平方メートルあたり約1,900円〜3,000円が目安です。コストパフォーマンスの高さが大きなメリットで、何度も再塗装を必要とする場合には、全体の費用を低く抑えることが可能です。また、この塗料は表面の凹凸にしっかりと浸透し、湿気が多いエリアにも適しています。

 

しかし、短い耐用年数がデメリットとして挙げられます。他の塗料タイプと比較して耐久性が劣るため、頻繁に塗り直しが必要です。ビルの外壁塗装には、その都度のメンテナンスが難しいため、アクリル系塗料の使用は一般的に推奨されません。ただし、外壁のデザインを定期的に更新したい商業施設や、10年以内に解体が予定されている建物、倉庫など、特定の条件下での利用例もあります。

 

ウレタン系塗料

ウレタン樹脂をベースにしたウレタン系塗料は、その柔軟性により、塗装面にしっかりと密着し、優れた防水性を誇ります。通常の場合、この塗料の耐用年数は8年〜10年で、価格相場は1平方メートルあたり約2,100円〜3,100円が目安です。この塗料の最大のメリットは、高い密着性と防水能力にあり、雨の影響を受けやすい場所や木材に適しています。さらに、塗料自体の弾力性が塗装面のひび割れ防止に役立つことも、大きなメリットの1つです。

 

一方で、耐用年数が短いことがデメリットとされ、頻繁な塗り替えが必要です。また、耐熱性が低いため、日差しが強く当たる箇所には向かないという点を理解しておきましょう。

 

シリコン系塗料

シリコン系塗料は、光沢が特徴のアクリルシリコン樹脂ベースの塗料で、耐用年数は10年〜15年で、価格相場は1平方メートルあたり約2,700円〜4,000円が目安です。この塗料の最大の魅力は、価格と機能性の優れたバランスにあります。高い耐水性と耐熱性を誇り、さらに防水性や防汚性も非常に高いです。価格面では、品質が若干劣るウレタン系塗料と比べても大きな違いはなく、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。これらのメリットにより、シリコン系塗料は外壁塗装で人気のある選択肢となっています。

 

ただし、扱いには注意が必要です。密着性に乏しく、適切な下塗り材の選定が求められます。また、伸縮性に劣るため、ひび割れが生じやすい側面もあります。それでも、耐用年数、性能、価格の面でバランスが取れているため、どの塗料を選ぶべきか迷っている方には、シリコン系塗料がおすすめです。

 

ラジカル系塗料

ラジカル塗料は、塗料を長持ちさせるために、塗料を老化させる要因であるラジカルを抑制する設計で作られています。この塗料の平均的な耐用年数は14年〜16年で、価格相場は1平方メートルにつき約3,000円〜4,300円が目安です。その最大のメリットは耐久性が高いことであり、太陽光や、風雨による損傷を効果的に防ぎます。シリコン塗料に比べると、とくに紫外線や雨風に対する強さが際立っています。

 

しかし、色の選択肢が限られている点が欠点です。ラジカル塗料の主成分である「高耐候酸化チタン」が白色顔料であるため、黒色を含む暗色系の選択ができません。また、2012年に市場に登場した比較的新しい塗料であるため、長期間の耐用性については完全には確立されておらず、建物の状況によっては予想よりも耐用年数が短くなる可能性があります。ラジカル塗料に興味がある場合は、専門の業者に相談することをおすすめします。これにより、外壁塗装を検討している建物に最適な塗料選びの助けになるでしょう。

 

フッ素系塗料

フッ素系塗料は、合成樹脂にフッ素を含んでおり、塗料の中でもグレードの高い塗料です。この塗料の耐用年数は15年〜20年で、価格相場は1平方メートルにつき約3,700円〜4,700円が目安です。最大のメリットは、高い性能にあります。防水性、耐熱性、耐水性、そして防カビ性を含む多方面にわたり性能が高く、さらに高い親水性も持ち合わせています。これにより、外壁についた汚れが水と結びつきやすくなり、雨で容易に洗い流されるため、清掃の手間を省くことが可能です。この特性から、フッ素系塗料はメンテナンスが大変なビルや大型商業施設などで好んで使用されます。

 

一方で、デメリットとして挙げられるのは高い価格です。最も手頃なアクリル系塗料に比べて、価格はおよそ2倍以上ですが、長い耐用年数を考慮すると、全体の塗装コストは削減される可能性があります。ただし、外壁塗装に一度にかかる費用は、足場設置などを含めて高くなる点は覚えておく必要があります。

 

無機系塗料

無機系塗料は、セラミックやケイ素などの無機物を基本成分とし、これらは炭素を含まず、20年〜25年の長期にわたって使用できる耐久性を備えている塗料です。この塗料の価格相場は、1平方メートルあたり約5,000円〜5,500円です。主なメリットとしては、高い耐久性が挙げられます。無機物は紫外線による劣化の影響を受けにくいため、通常の塗料よりも長持ちし、また、微生物の成長に必要な有機物が少ないため、カビや苔の成長を抑制します。さらに、無機物は燃えにくい特性を持つため、耐火性にも優れている点も魅力です。

 

しかし、デメリットとしては高い価格が挙げられ、一般的に家の外壁に用いられるシリコン系塗料の約2倍のコストがかかります。加えて、無機物の含有率が高いため塗膜が硬くなりがちで、それによってひび割れしやすくなる可能性があります。このため、塗装の仕上がりは施工する職人の技術に大きく依存する点も考慮すべきです。

 

光触媒系塗料

光触媒塗料は酸化チタンを基本成分とする塗料で、耐用年数は10年〜15年で、1平方メートルごとの価格相場は、だいたい5,000円〜5,500円が目安です。この塗料の大きなメリットは、セルフクリーニング機能にあります。これは、塗装された面が汚れにくく設計されており、酸化チタンが太陽の光を受けることで壁の汚れを分解し、さらには水を好む性質によって雨で汚れが流れやすくなる特性を持っています。

 

しかし、太陽光が届かない場所ではこの機能が十分に働かないというデメリットもあるので注意しましょう。セルフクリーニング機能は太陽光による汚れの分解に依存するため、影になる場所では効果が期待できません。加えて、この塗料は扱いにくい性質があるため、塗装の出来栄えは施工する職人のスキルに左右されます。塗装業者を選ぶ際には、光触媒塗料を用いた施工経験の有無を確認することが重要です。

 

外壁塗装の費用の相場

ビルの外壁塗装に必要な費用は、さまざまな要因によって大きく異なります。ここでは、ビルオーナーや管理会社が予算計画を立てる際に役立つ、外壁塗装の費用相場について詳しく見ていきましょう。ビルの外壁塗装にかかる費用は、建物の規模、塗装する面積、使用する塗料の種類、足場の設置が必要かどうかなど、さまざまな要素によって変動します。一般的には、費用の相場は300万円〜1,500万円の範囲内になることが多いです。

 

しかし、これはあくまで目安であり、具体的な費用は施工内容の詳細に基づいて算出されます。ビルの階層が増えるごとに、塗装面積も自然と増加します。低層ビルでは外壁の切れ間が多く見られ、高層ビルでは全面が外壁で覆われることが多いです。さらに、足場の設置や撤去にも高額のコストがかかり、これが高層ビルの場合に費用を押し上げる主な理由です。

 

  • 3階建てビルの場合:約300万円〜400万円
  • 5階建てビルの場合:約450万円〜650万円
  • 10階建てビルの場合:約900万円〜1,500万円

 

これらの相場は、塗料のグレードや施工の難易度によって変動します。たとえば、耐候性や耐久性に優れた高品質な塗料を使用すると、それだけ費用も上昇します。一方で、長期にわたるメンテナンス費用の削減を考慮すれば、初期投資が高くてもコストパフォーマンスは高いです。外壁塗装の費用相場は、300万円〜1,500万円と幅広いですが、これはあくまで一般的な目安に過ぎません。最終的な費用は、ビルの大きさ、塗装する面積、選択する塗料の種類、足場の設置有無など、多岐にわたる要素に基づいて決定されます。したがって、正確な見積もりを得るためには、専門の塗装業者に相談することが重要です。

 

外壁塗装における注意点

ビルの外壁塗装には、美観を向上させるだけでなく、建物を長持ちさせる重要な役割があります。しかし、適切な手順で進めない場合、期待した効果を得られないどころか、追加の問題を引き起こすリスクが高まります。ここでは、ビルの外壁塗装を行う上での主な注意点を挙げ、その対策を解説します。

 

まず、工事を行う期間中のテナントや入居者への配慮が必要です。塗装工事に伴う騒音や臭いは避けられないため、事前に周知し、理解を求めることが大切です。とくに商業ビルではテナントの営業に影響を与えかねないため、工事のスケジュールや安全対策についてしっかりとコミュニケーションを取りましょう。

 

次に、塗装業者の選定です。経験豊富で信頼できる業者を選ぶことが重要です。見積もりの段階で、具体的な工程や使用する塗料の種類、費用の内訳を明確にしてもらい、不明点は事前に質問しておきましょう。

 

また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも重要です。塗料の選択にも注意が必要です。建物の用途や地域の気候条件に適した塗料を選ぶことで、塗装の持続性を高めることができます。可能であれば、環境に優しい塗料を選択することも考慮しましょう。

 

最後に、塗装工事の後のフォローアップも重要です。塗装が完了した後も、定期的に外壁の状態をチェックし、必要に応じてメンテナンスを行うことで、ビルを長持ちさせられます。

 

外壁塗装は美観の維持と建物の保護に不可欠

ビルやマンションの外壁塗装は、美観の維持と建物の保護に不可欠です。耐久性の向上、美観の向上、不動産価値の向上など、そのメリットは計り知れません。適切なタイミングでの施工、適した塗料の選択、信頼できる業者の選定が成功のカギです。費用相場を理解し、予算計画を立てることで、無駄なコストを抑えつつ、ビルの価値を長期にわたって守ることが可能です。適切な外壁塗装で、ビルの美しさと機能性を保ちましょう。

 

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