外壁についたコケの取り方は?正しい掃除の方法を解説

外壁に発生したコケは、単なる「見た目の問題」と軽く考えてしまいがちです。
しかしそれはお住まいの防水機能が低下していることを示す劣化のサインであり、放置すれば建物全体の寿命を縮める深刻な問題へと発展しかねない危険な兆候です。
この記事では、そんな外壁に繁殖したコケに関する皆様の疑問や不安にお答えするため、塗装のプロフェッショナルとして、ツタが建物に与える深刻なリスクとその正しい対処法について詳しく解説していきます。
外壁のコケを取る方法
外壁に発生してしまったコケを取り除くには、大きく分けて「ご自身で取る」方法と「専門の業者に依頼する」方法の2つの選択肢があります。
自分で取る
費用を抑えたい、あるいはすぐにでも対処したいという場合にまず思いつくのが、ご自身で除去作業を行うことでしょう。
手の届く範囲の発生したばかりの軽微なコケであれば、市販の洗浄剤や道具を使ってある程度きれいにすることは可能です。
しかしこれはあくまで一時的な「応急処置」に過ぎないということを理解しておく必要があります。
コケは非常に生命力が強く、表面だけをきれいにしても外壁材の微細な凹凸に根が残っていれば、すぐにまた再発してしまいます。
そして何よりも覚えておいていただきたいのが、高所での作業は転落という命に関わる重大な事故のリスクを伴うということです。
ご自身での作業は必ず安全が確保できる低い範囲に留めてください。
業者に取ってもらう
コケが広範囲に広がってしまっている場合や高所に発生している場合、そして根本的な解決を目指すのであれば、迷わず専門の業者に依頼することをお勧めします。
プロの業者はまず業務用の高圧洗浄機を使い、外壁材を傷つけることなくコケを根こそぎ洗い流します。
さらに必要に応じてバイオ洗浄剤などを使用し、目に見えないカビの菌まで徹底的に殺菌します。
そして最も重要なのがその後の「再発防止策」です。コケが二度と生えてこないように、防カビ・防藻性能の高い高機能な塗料で外壁全体をコーティングします。
安全性、確実性、そして長期的な美観の維持という点で、プロに依頼するメリットは計り知れないほど大きいのです。
外壁のコケを自分で取る際に便利なアイテム
ご自身で応急的なコケ取りを行う際に役立つアイテムをいくつかご紹介します。
ただし使用の際にはそれぞれの注意点をよく理解しておくことが重要です。
高圧洗浄機
家庭用の高圧洗浄機は広範囲のコケを効率的に洗い流すのに非常に便利です。
水の力だけで、ある程度の汚れを落とすことができます。
しかしその使い方には細心の注意が必要です。
水圧が強すぎるとコケだけでなく外壁の塗膜まで剥がしてしまったり、サイディングなどの外壁材そのものを傷つけたりしてしまう危険性があります。
また劣化したシーリングの隙間などから強い水圧の水が壁の内部に侵入し、雨漏りの原因となってしまうケースも少なくありません。
ご自身で使用する場合は必ず最も弱い水圧に設定し、壁から十分な距離を離して噴射するようにしてください。
スチームクリーナー
高温のスチームを噴射することでコケを死滅させ、除去しやすくする道具です。
熱によって殺菌する効果も期待できるため、カビが同時に発生している場合にも有効です。
ただしこちらも外壁材の種類によっては注意が必要です。
高温のスチームが塗膜を変質させたり、熱に弱い樹脂系のサイディングなどを変形させてしまったりする可能性があります。
使用する前には必ず目立たない場所で試してから行うようにしましょう。
コケ取りスプレー
ホームセンターなどで市販されている外壁用のコケ・カビ除去剤も手軽で効果的なアイテムです。
コケに直接スプレーし、しばらく放置したあと水で洗い流すことで、コケを根から分解し除去する効果が期待できます。
ただし製品によっては塩素系の強力な薬剤が含まれている場合があり、使用の際にはゴム手袋やマスク、ゴーグルといった保護具の着用が必須です。
また薬剤が周囲の植栽を枯らしてしまったり、金属部分を錆びさせてしまったりする可能性もあるため、使用前の養生と使用後の十分な洗い流しが重要になります。
ブラシやスポンジ
軽微な発生したばかりのコケであれば、水とブラシやスポンジでこすり洗いするだけでも落とすことができます。
この時注意したいのがブラシの硬さです。
金属製の硬いブラシなどでゴシゴシと強くこすると、外壁の塗膜に無数の傷をつけてしまいそこから劣化が進行する原因となります。
必ず車の洗車に使うような柔らかいブラシやスポンジを使用するようにしてください。
地道な作業ですが、建物を傷つけない最も安全な方法の一つです。
重曹
環境や人体への影響を考慮したい場合に選択肢となるのが重曹です。
水に溶かした重曹水をスプレーボトルに入れ、コケの部分に吹きかけしばらく置いてからブラシでこすり水で洗い流します。
安全性が高いというメリットはありますが、市販の専用洗浄剤に比べるとその効果は穏やかです。
頑固にこびり付いたコケを完全に除去するのは難しいかもしれません。
ごく初期の軽微な汚れに対する一つの方法として覚えておくと良いでしょう。
外壁のコケを放置すると起こること
外壁に生えたコケを「ただの緑色の汚れだから」と軽く考えて放置してしまうと、建物の美観だけでなくその健康そのものを深刻な危険にさらすことになります。
審美性が悪くなる
まず最も分かりやすい影響が、建物の「審美性」すなわち見た目の美しさを著しく損なうことです。
緑色や黒ずんだコケが壁一面に広がっている様子は、不衛生で管理が行き届いていないというネガティブな印象を周囲に与えます。
これは単に「見た目が悪い」というだけでなく、物件の「資産価値」の低下に直接的に繋がります。
入居者を募集する際や将来的に売却を検討する際にも、大きなマイナス要因となってしまうのです。
建物が劣化する
コケはその体内に常に水分を保持するという性質を持っています。
つまり壁にコケが生えている状態は、湿ったスポンジを常に壁に押し付けているのと同じことなのです。
この水分が外壁を保護している塗膜の防水機能を劣化させ、やがては外壁材そのものへと浸透していきます。
壁の内部に水が侵入すれば、構造躯体である木材や鉄骨を腐食させ雨漏りを引き起こし、建物の寿命を大きく縮める原因となります。
コケは建物の健康を静かに、しかし確実に蝕んでいく危険な存在なのです。
人体に悪影響が出る
コケが繁殖しやすいジメジメとした環境は、同時に黒カビなどの雑菌にとっても絶好の繁殖場所となります。
カビはその胞子を空気中に飛散させ、それを吸い込むことでアレルギー性鼻炎や喘息、あるいはアトピー性皮膚炎といった様々なアレルギー疾患を引き起こしたり悪化させたりする原因となることが知られています。
特に小さなお子様や高齢者、あるいはアレルギー体質の方がお住まいの場合は、その健康を守るためにもコケやカビを放置することは絶対に避けるべきです。
外壁にコケが生えないようにする方法
一度発生してしまったコケを取り除くのも大切ですが、より重要なのはそもそも「コケを発生させない」ための予防的な対策です。
風通しを良くする
コケは湿気を好みます。
そのため建物の周りの風通しを良くし、壁面を常に乾燥した状態に保つことが非常に有効な予防策となります。
外壁のすぐ前に物置や不用品などを置いている場合は、壁との間に十分なスペースを確保しましょう。
また庭の植栽が壁にかかるほど生い茂っている場合は、定期的に剪定を行い空気の通り道を作ってあげることが大切です。
日当たりを良くする
コケは光合成を行う植物ですが、直射日光のような強い光は苦手とします。
そのため日当たりが悪く日陰になりがちな建物の北側などで特に繁殖しやすくなります。
建物のすぐ近くに大きな木があり壁面に影を落としている場合は、その枝を適切に剪定し少しでも日光が当たるように工夫することで、コケの発生を抑制する効果が期待できます。
外壁の材質を変える
外壁材の表面の形状もコケの発生しやすさに大きく影響します。
リシンやスタッコといった表面がザラザラとした凹凸の大きい仕上げ材は、その溝に水分や汚れが溜まりやすくコケの温床となりやすいという弱点があります。
もしこれから外壁のリフォームを検討するのであれば、比較的表面がフラットでツルっとした金属系サイディングや光沢のあるタイルなどを選択肢に入れるのも、長期的なメンテナンスの観点からは有効な方法です。
外壁塗装を行う
最も効果的でそして根本的な予防策が、高機能な塗料による「外壁塗装」です。
近年の塗料にはコケの発生を長期間抑制するための様々な機能が付与されています。
例えば塗料自体に防カビ・防藻剤が配合されている「防カビ・防藻塗料」や、太陽の光で汚れを分解し雨水で洗い流す「セルフクリーニング効果」を持つ「光触媒塗料」などです。
外壁塗装を行う際にこうした高機能な塗料を選択することで、コケの悩みから長期にわたって解放され建物の美観と健康を維持することができます。
外壁のコケは放置せずすぐに取り除こう
今回は、多くの建物を悩ませる外壁のコケについて、その正しい取り方から放置するリスク、そして根本的な予防法まで詳しく解説しました。
コケの緑は一見自然で豊かに見えるかもしれません。
しかし建物にとっては、その寿命を静かにしかし確実に蝕んでいく「病」の始まりです。
その病の根本的な治療と再発予防のためには、やはり建物の構造と塗料の特性を熟知した専門医、すなわち私たちのようなプロの塗装業者による的確な診断と処置が不可欠です。
株式会社カメダ総合塗装は、コケやカビの除去はもちろんのこと、その原因を徹底的に分析し、お客様のお住まいの立地環境や外壁の状態に合わせた最適な再発防止策をご提案します。
「うちの壁のコケ、一度プロの目で見てほしい」 そう感じたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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